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マイホーム購入の新常識? 「残価設定型住宅ローン」を徹底解説!

マイホーム購入の新常識? 「残価設定型住宅ローン」を徹底解説!

京都の不動産 モコハウスです。

今回のテーマは、最近ニュースでも話題の「残価設定型住宅ローン」について。

「家が欲しいけれど、価格が高すぎて手が届かない……」と悩んでいる方にとって、新しい選択肢になるかもしれません。

メリットだけでなく、注意すべき点も含めて、プロの視点でわかりやすく解説します!

マイホームは「高嶺の花」? 住宅価格の現状

「希望のエリアで家を探すと、予算が全然足りない!」

そんなため息をついている方も多いのではないでしょうか。

実際、国交省等の各種統計によると、年収に対する住宅価格の倍率は、2000年の2.9倍から、2023年には7.7倍(首都圏では9.6倍!)へと大きく上昇しています。

給料はそれほど上がっていないのに、家の値段だけがどんどん上がっているのが現状です。

そこで今、注目されているのが「残価設定型住宅ローン(通称:住宅版残クレ)」です。

さらに2025年12月、国(国交省)がこのローンの普及を後押しする新しい支援策を発表したことで、一気に話題になっています。

「住宅版残クレ」の仕組みとは

残クレの仕組み

「残クレ」と聞くと、自動車の購入方法を思い浮かべる方も多いでしょう。

基本的な考え方は、まさにそれと同じです。

仕組みを一言でいうと、「将来の家の価値(残価)」をあらかじめ引いて、残りの部分だけを分割払いするというものです。

家のローンが「2階建て」になるイメージ

このローンは、借入金を2つの部分に分けて考えます。

  1. 1階部分(償還部分)
    毎月コツコツ返済する部分。ここが通常のローンより少なくなるため、月々の支払いが楽になります。
  2. 2階部分(残価部分)
    将来(20〜30年後など)まで支払いを待ってもらう部分です。

【ここに注意!】

車の残クレと似ていますが、不動産特有の条件があります。特に重要なのが「メンテナンス義務」です。

車の車検のように、家も定期的に点検・補修をしないと、将来の価値(残価)を保証してもらえなくなる可能性があります。

なぜ今、注目されているの? 2025年12月の最新ニュース

実はこれまで、銀行はこのローンに消極的でした。「将来、家の価値が暴落したらどうするの?」という不安があったからです。

しかし、流れが大きく変わりました。

2025年12月、金子恭之国土交通大臣が「新保険制度」を創設すると発表したのです。

これは簡単に言うと、「もし将来、家の価値が下がって担保割れしても、国の支援のもと、そのリスクを保険的に補完する」という仕組みです。

この公的なバックアップ体制により、今後多くの銀行でこのローンが使えるようになると期待されています。

ただし、どんな家でも使えるわけではありません。「長期優良住宅」など、長く資産価値が続く高品質な家が対象となる見込みです。

徹底比較! 通常のローン vs 残価設定型

では、通常の住宅ローンと何が違うのでしょうか?

メリットとリスクを公平に比較してみましょう。

特徴通常の住宅ローン残価設定型
月々の返済額高い(全額を分割して返す)
低い(残価を引いた分を分割)
総支払額低い(元金が早く減る)高い(残価分の元金が減らないため、その分の利息がかさむ)
将来のリスク市場価格が下がると借金が残るリスク軽減(市場価格が下がっても設定残価で買取保証※)
メンテナンス自己判断義務(定期点検・補修が必要。怠ると保証失効のおそれあり)

※買取保証について:契約条件を満たした場合、JTI等の所定の機関が買い取る仕組みです。

【プロからのアドバイス】

「月々の支払いが安い!」という点ばかりに目が行きがちですが、「総支払額は増える」という点は必ず理解しておきましょう。

据え置いている「残価部分」にも、ずっと利息がかかり続けるからです。特に金利が上がっている局面では、利息負担が大きくなる可能性があります。

20年後、30年後はどうなる? 「3つの出口戦略」

あらかじめ決めた期間(残価設定月)が来たとき、ライフスタイルに合わせて3つの選択肢から選ぶことができます。

1. 売却して清算(買取オプション)

子供が独立して家が広すぎる場合などに有効です。最大のメリットは、市場価格が大きく下がっていても、条件を満たせば「JTI(移住・住みかえ支援機構)」等の所定の機関が、約束した「残価」で買い取ってくれる点です。

2. 住み続ける(返済額軽減オプション)

愛着があり住み続けたい場合、元金の返済を死亡時まで先送りし、「利息だけ」を払う形に切り替えます。年金生活でも、家賃より安い負担で住み続けられる可能性があります。

※これは「新型リバースモーゲージ」とも呼ばれますが、一般的な商品とは仕組みが異なります。

3. 買い取る・再ローン

手元資金で残価を一括返済するか、再度ローンを組んで自分のものにします。

まとめ:どんな人に向いている?

残クレまとめ

この「残価設定型住宅ローン」は、万人向けではありませんが、ハマる人にはとても有効な手段です。

向いている人

  • 月々の出費を抑えて、教育費や投資にお金を回したい子育て世帯。
  • 将来、実家に帰る・田舎に移住するなど、住み替えの可能性がある人。
  • 資産価値の高い(長期優良住宅などの)家を建てる予定の人。

向いていない人

  • 「家は一生住み続けるもの」と考え、住み替えを全く想定していない人。
  • 「借金は早く返して身軽になりたい(総支払額を最小にしたい)」という人。

家は「一生に一度の買い物」から、「ライフステージに合わせて住み替える資産」へと変わりつつあります。

国の支援環境も整いつつある今、賢い選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

モコハウスでは、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフが、お客様一人ひとりのライフプランに合わせて、最適なローンの組み方を一緒に考えます。

「私にはどっちのローンがいいの?」と思ったら、ぜひお茶を飲む感覚で、お気軽にご相談くださいね!

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